サプライズ

夫ばなし

夫はあまりマメな方ではなく、結婚前からもプレゼントに対しての思い入れがあまりないというか、とにかく無頓着だなと感じていました。

誕生日プレゼントも最初の方はちゃんとくれていましたが、途中から考えるのがめんどくさくなってきたのか、自分の好きな電化製品をおすすめしてきて手渡しではなく家に送ってくるという配送パターン多くなってきました。ちゃっかりポイントもためているはずです。
そんなんではホストにはなれないですね。

私からのプレゼントも渡しても気に入らないのかいつもテンションが低く、こちらとしても趣味が違うんだなと思い、同じように電化製品にシフトしていきました。
結婚前の最後の方は、夫の誕生日プレゼントなのに勝手に注文されていて、現金で請求されるということもあり、ちょっとショックでした。
これではヒモにすらなれないのではないでしょうか。

こんな感じで、サプライズなんかには全く無縁の人ですが、モンゴルに行ってきた時にお土産をいつになくたくさん買ってきてくれました。
私もモンゴル土産というものは初めてだったので、ウキウキしました。
カシミヤのマフラーや民芸品の櫛、食べ物もあったと思います。旅の思い出や買った時のエピソードなども交えながらひとつづつ渡してくれました。
最後にモンゴルの象徴的な遊牧民の住居であるゲルの形をした小箱のようなものを取り出しました。
私の手のひらに乗せてくれます。

「開けてみて」 彼は優しい声でささやきます。

この時点でつきあって、もう何年も経っていました。
来た。とうとう。婚約指輪が。
ドギマギして私は動くことができません。

「開けてみて」 もう一度彼は言います。

緊張しながら蓋をあけました。

羊の骨が4つ。

「これね、モンゴルで有名なゲームらしいんだけどね。骨を転がしてどっち向きになってるかで戦うみたいなんだけど、ルールがよくわからないんだよね。説明書も入ってるけど現地の言葉だし〇△×〇△×・・・・・」

彼はしゃべり続けます。

私の魂は体を抜け出し彼の声はどんどん遠くなりました。
これこそ本当にサプライズだったという話です。

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